十日市場町は本当に治安が悪いのか?住みやすさと再開発の現在地を現場取材
JR横浜線の各駅停車駅として知られる横浜市緑区十日市場町。ネットの検索窓に地名を打ち込むと「治安 悪い」「団地 寂れている」といった不穏なサジェストワードが浮上し、住まい探しを検討する人々を不安にさせています。しかし、現地の改札を一歩出ると、そこに広がるのは広大な緑と整然とした住宅街、そして公民連携で進められた先進的な複合開発の姿です。
高度経済成長期を支えた大規模団地の街から、次世代を見据えたサステナブルな住宅地へ。本稿では、2026年現在の客観的統計データ、警察の治安記録、自治体の十日市場町再開発計画の進捗、そして現地住民への取材を通じて、十日市場町の住みやすさのリアルを徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「治安が悪い」という噂は昭和〜平成初期の団地に対する偏見に過ぎず、緑区の犯罪認知件数は横浜市18区内でトップクラスの低水準。
- 要点2:横浜市主導の十日市場町スマートタウンプロジェクトにより、新旧の世代が心地よく共生する医療・福祉・商業一体型の街区が完成。
- 要点3:近隣の青葉台や長津田と比較して家賃相場・土地価格が約15〜20%割安であり、コストパフォーマンスを重視する子育て世帯に極めて合理的な選択肢。
【噂の真相を解明】「十日市場町は治安が悪い」と言われる背景と犯罪統計の真実
ネット掲示板や知恵袋などで散見される「十日市場町は治安が心配」という書き込み。この風評の根本的な原因をたどると、1970〜80年代の大規模供給期に形成された「十日市場団地」のイメージや、過去の郊外ベッドタウン特有の薄暗い夜道の印象が独り歩きしている実態が浮かび上がります。
では、客観的事実はどうなのか。神奈川県警察が公表している「市区町村別犯罪認知件数」の最新統計を精査すると、驚くべき実態が見えてきます。横浜市緑区全体の刑法犯認知件数は横浜市18区中、常に最少レベル(犯罪発生率が極めて低い上位3区以内)を維持しており、とりわけ十日市場町周辺で凶悪犯罪が頻発しているという事実は一切ありません。
地元自治会関係者への聞き取り取材でも、住民の実感は極めて平穏です。「夜間に駅前を歩いても若者のたまり場になっているような場所はなく、パトロールも定期的に行われています。団地特有の高齢化を不安視する外からの視線が、いつの間にか『治安の不安』へと誇張されて伝わっているのではないでしょうか」と語ります。街灯のLED化や防犯カメラの増設も着実に完了しており、数字と現場観察の両面から見て、治安面での懸念は杞憂と断定できます。

【劇的進化を遂げた現在地】十日市場町スマートタウンと団地建替えのインパクト
いま十日市場町を語る上で避けて通れないのが、横浜市が「SDGs未来都市」のリーディングプロジェクトとして推進してきた十日市場町再開発計画です。かつての市営住宅跡地を中心とした20街区・21街区・22街区において、大手デベロッパー各社が手掛けた多世代共生型街区「十日市場スマートタウン」が本格的に定着しました。
このプロジェクトの最大の特徴は、単なるタワーマンションの新築ではなく、子育てファミリー向け分譲マンション、シニア向け安心住宅、認可保育園、クリニックモール、地域交流カフェ、さらにはコージェネレーションシステム等を活用した自立分散型エネルギーインフラが一体化している点にあります。老朽化した十日市場町の団地建替え問題に対して、行政と民間が導き出した全国的にも先進的な回答モデルです。
現地を歩くと、敷地内のオープンスペースで小さな子ども連れの若年層と高齢者が自然に言葉を交わす光景が見られます。「昔ながらの団地の良さ」であったコミュニティの温かさを残しながら、現代の洗練された都市景観へと見事なアップデートを遂げています。
【周辺相場と比較】十日市場駅周辺の家賃相場・土地価格が誇る高コスパの根拠
住み替え先として検討する際、最も魅力となるのが価格・コストのバランスです。隣接する東急田園都市線沿線(青葉台など)や、同じJR横浜線の快速停車駅(中山・長津田)と比較した場合の相場感を整理しました。
| エリア・駅名 | ワンルーム〜1K相場 | 2LDK〜3LDK相場 | 住宅地地価(㎡あたり目安) | 編集部の総合評価 |
|---|---|---|---|---|
| 十日市場町(JR横浜線) | 約5.8万〜6.4万円 | 約11.8万〜13.5万円 | 約21万〜25万円 | 住環境と利便性に対して割安感が際立つ。実利派に最適。 |
| 青葉台(東急田園都市線) | 約7.2万〜8.0万円 | 約15.5万〜18.0万円 | 約32万〜38万円 | 商業施設は極めて充実しているが、住居費負担は格段に重い。 |
| 中山(横浜線・GL) | 約6.5万〜7.2万円 | 約13.0万〜15.0万円 | 約26万〜30万円 | 快速停車・2路線利用で人気。駅前再開発も進行中。 |
| 長津田(横浜線・田園都市線) | 約6.8万〜7.5万円 | 約14.2万〜16.5万円 | 約28万〜33万円 | 2路線接続のターミナル。利便性は高いが物件価格は高止まり。 |
国土交通省の地価公示データおよび大手不動産ポータルの成約賃料データを分析すると、十日市場町の家賃相場および地価・土地相場は、東急田園都市線のブランドエリアや快速停車駅と比べて1段〜2段落ち着いた水準を維持しています。「住まいにかける固定費を抑え、教育費や趣味に投資したい」と考える堅実派にとって、この価格差は絶大な優位性をもたらします。

【住環境の徹底解剖】日用品の買い物利便性・子育て環境・ハザードマップの注意点
日々の暮らしやすさを左右する生活インフラ面でも、十日市場町は堅実な実力を備えています。特に買い物環境においては、駅南口のペデストリアンデッキ直結エリアに「ダイエー十日市場店」、さらに駅徒歩圏内に「そうてつローゼン十日市場店」や大型のドラッグストア、ディスカウントスーパーが揃っており、共働き世帯の帰宅時買い出しに不自由することはありません。
教育・公園環境に目を向けると、駅周辺から少し歩くだけで「新治市民の森」をはじめとする広大な緑地帯が広がっています。アスレチックや芝生広場を備えた公園が点在し、横浜市内でも屈指の自然豊かな環境が保たれています。自治体による子育て支援拠点や民間学童保育の整備も進んでおり、未就学児から小中学生を育てる家庭にとって安心感の高いロケーションです。
一方で、住まい選びにおいて必ず確認すべきなのが十日市場町のハザードマップです。十日市場町は多摩丘陵の波状地に位置しているため、台地上のエリアは恩田川等の河川氾濫による浸水想定区域から外れており、水害リスクは極めて低くなっています。ただし、谷戸部(谷底低地)や丘陵のキワにあたる傾斜地では「土砂災害警戒区域(急傾斜地の崩壊)」に指定されているピンポイント地点が存在します。物件を選ぶ際は、駅からの高低差と敷地背後の擁壁・斜面の状態を自治体の防災マップで必ず照合することが鉄則です。
【実態検証】住民のリアルな証言から見えた長所と短所
実際に十日市場町に居を構える住民は、この街の日常をどう評価しているのか。現地取材で集まった率直な声を紹介します。
「通勤はJR横浜線で長津田まで1駅(約3分)出て田園都市線の始発や急行に乗り換えるか、町田・新横浜方面にダイレクトに出られるので思いのほか快適です。ただ、JR横浜線の各駅停車しか止まらないため、昼間の運行間隔が10分程度空く時間帯がある点や、駅周辺から住宅街へ向かうルートに緩やかな坂道が多い点は理解しておく必要があります」(30代・IT企業勤務・ファミリー層)
「夜はお店が早く閉まるため、派手な歓楽街や若者向けの商業施設を求める人には物足りないかもしれません。しかし、酔っ払いが騒ぐこともなく、夜は非常に静かで治安の良さを実感しています。電動アシスト自転車さえあれば、青葉台の商業エリアや緑区役所のある中山へも手軽にアクセスできます」(40代・医療従事者)
住民の声に共通しているのは、「華美なステータス性よりも、日常生活の静けさと実質的な機能性を重視している」という納得感です。
【プロの結論】都市社会学の視点から分析する「選ぶべき人・慎重になるべき人」
高度経済成長期に誕生した郊外住宅地は、少子高齢化によって衰退する「オールドニュータウン」と、再開発によって多世代循環型へ再生する街との二極化が進んでいます。十日市場町は、横浜市による先導的なスマートタウン施策と民間デベロッパーの協調によって、後者の「健全な世代交代サイクル」の軌道に乗ることに成功した稀有なエリアと言えます。
この街を選択する上での明確な判断基準は以下の通りです。
- 【十日市場町をおすすめできる人】:
- 住居費を合理的に抑えつつ、治安が良く落ち着いた住環境で子育てをしたい世帯
- 町田、新横浜、橋本、あるいは東急田園都市線経由で渋谷方面へ通勤するビジネスパーソン
- 緑豊かな公園や自然が生活圏にあり、週末をゆったりと過ごしたいファミリー
- 【慎重に検討すべき人】:
- 駅前に大型ファッションビルやシネコン、深夜営業の飲食店街を必須とする人
- 坂道や起伏のある地形での歩行・自転車移動に強いストレスを感じる人
- 最寄り駅に「特急・快速」の停車や複数路線の直通乗り入れを絶対条件とする人

【十日市場町】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:JR横浜線十日市場駅から都心(渋谷・新宿・横浜)へのアクセス時間はどれくらいですか?
A1:隣駅の長津田駅で東急田園都市線(準急・急行)に乗り換えることで、渋谷駅まで約40〜45分でアクセス可能です。また、JR横浜線で菊名(東急東横線乗換)経由、あるいは新横浜・東神奈川経由で横浜駅へは約30分前後でダイレクトに到着できます。新幹線停車駅である新横浜駅へも乗り換えなし約15分と、出張や旅行の利便性にも優れています。
Q2:駅周辺に坂道が多いと聞きますが、日常生活で車や電動自転車は必須ですか?
A2:駅至近の平坦エリアやスマートタウン街区内のみで生活が完結する場合は徒歩でも十分ですが、周辺の住宅街や団地上層エリアへ移動する場合は丘陵地特有の傾斜が存在します。そのため、多くの住民が電動アシスト自転車を日常の足として愛用しています。車があれば青葉台の商業施設や恩田川沿いの大型店舗へも数分で移動できるため、利便性はさらに向上します。
Q3:十日市場駅周辺の保育園の入りやすさや待機児童の状況はどうですか?
A3:横浜市緑区は待機児童対策に注力しており、スマートタウン内にも認可保育所が新設されたため、かつてに比べて受入れ枠は拡充されています。ただし、1歳児クラスなど特定の年齢層では依然として希望園が集中するケースがあります。入園を検討する場合は、駅周辺だけでなく緑区十日市場町周辺の複数施設を候補に入れ、区役所こども家庭支援課へ早めの相談をおすすめします。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
「治安が悪いのではないか」という過去の残像に囚われ、十日市場町を選択肢から外してしまうのは、住宅選びにおいて極めてもったいない判断と言わざるを得ません。現場で起きている現実は、緑豊かな自然環境、官民連携による先進的なスマートタウンへの進化、そして周辺主要駅と比べた抜群のコストパフォーマンスです。
街選びで失敗しないための最大の秘訣は、ネット上の古い評判だけを鵜呑みにせず、実際に平日の夕方や休日の日中にJR横浜線十日市場駅を降り立ち、駅前スーパーの活気やスマートタウンの空気感を自身の五感で確かめることです。飾らない実利と穏やかな生活利便性を両立させたい人にとって、十日市場町は2026年の今、確かな価値を提供する有力な選択肢となるはずです。 (出典: 十 日 市場 町(Yahoo!ニュース))